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日本のスギを使った新しいプロダクト
森を育み、森の恵みによって生かされる。
天童木工に、国産の針葉樹「スギ」を使ったプライウッド(成形合板)の家具が誕生しました。
日本は今、古くから受け継がれてきた森との共生に様々な課題を抱えています。
未来の森に責任を持ち、健やかな森を守っていきたい。天童木工の新たな挑戦です。
STORY
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スギの特徴
スギは“日本にのみ生育する固有種”。古くは縄文時代から、家や食器など様々な形で日本人の生活を支えてきた、なじみの深い木です。
学名の“クリプトメリア・ヤポニカ”は、ラテン語で「秘められた日本の宝」という意味を持ちます。
木目のコントラストや木肌の優しさは親しみやすさを備え、特有の芳香は日本酒の香りづけに使われることも。
夏はサラリと冬は暖か。つややかな光沢のある板目は、使いこむほどに味わいが増し飴色に染まっていきます。
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スギの今
1945年〜54年ごろにかけての戦後復興期には、成長が早く建築資材に使えるスギやヒノキなどの針葉樹が多く植林されました。しかし、輸入材の増加や住宅着工数の減少などにより、植林された山々は手つかずのまま放置されています。手入れされていない単一の樹種のみが集まる森は「緑の砂漠」とも呼ばれ、大雨などにより土砂災害が起こりやすくなるなど、健全な森林環境が保てない状態になります。また、アレルギーの原因となるスギ花粉の増大にも影響しています。
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いびつな森林事情
日本の国土の約70%が森林ですが、現在木材自給率は30%しかありません。
外国産の木材に頼る現状は、国内に手つかずの人工林が多く残ったままになってしまういびつな構造を生み出しています。
データ:林野庁HP 木材需給表(平成22年)より
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スギへの挑戦
日本の林業の衰退に歯止めをかけ、活き活きとした森林を復活させるには、スギやヒノキの価値を再発見することが必須です。
軟質針葉樹と呼ばれる、木々はフローリングや柱などの建材に多く使われていますが、“軟質”であるからこその課題もあり、これまで、家具づくりでの使用は一般的ではありませんでした。
柔らかく傷つきやすいその弱点をカバーし、針葉樹のぬくもりや柔らかな木肌の風合いを活かすには…
人の暮らしを想う家具づくりを続けてきた天童木工にとって「健全な森を育み、木とともに歩み続ける」ために、スギをつかった家具づくりへの挑戦がはじまりました。
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世界初の技術
針葉樹で、家具づくりに理想的な強度と硬度、木肌の美しさを精度高く実現する。
未開拓の分野への挑戦は、固定概念にとらわれないアイデア、新しい加工技術の開発が必要でした。
建材の表面につかわれるスギは、その弱さを克服するために1000〜2000tもの圧力をかけて強度・硬度を上げています。この技術は、柔らかな針葉樹の可能性を大きく広げましたが、その一方でプレスで加わる熱で木材が黒く焼けたり、自由なデザインや繊細な曲線を描くには適さないといった課題がありました。
また、当時 木材を「薄く」スライスする技術はありましたが、「厚く」スライスする技術はありませんでした。
新しいスライスの技術、熱を加えすぎずにプレスする方法、機械技術の進歩や、新しいプレス機の発明などを経て、3年の月日を費やした新たな技術開発はついに成功。
針葉樹の可能性を広げる大きな一歩となりました。
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PRODUCT
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ALBERO | F-4107SG-NT
イタリア語で「木」を意味する「ALBERO」は、森の木々をモチーフにした優美な曲線がいくつも重なり合ったフォルムのコートハンガーです。
天童木工が開発した針葉樹の美しく強い成形合板をつくり出す新技術を活かし、山形県産の杉を使用した作品です。
DESIGNED by 奥山 清行
1959年 山形市生まれ
フェラーリエンツォ、マセラティクアトロポルテなどの自動車やドゥカティなどのオートバイ、鉄道、船舶、建築、ロボット、テーマパークなどのデザインを手掛ける世界的に活躍する山形生まれの工業デザイナー。
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“針葉樹を使った新しい家具づくり”についての詳細はこちら >> TENDO For Rest
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